E-ve’s blog

ベネディクト・缶バーバッヂ

笠岡の地で 第二章

E-veがお送りする千鳥の夢小説の第二章です

第一章は私のブログの一覧から確認してご覧下さい。

 

ではどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

ノブと大悟の関係は変わらず最悪な状態にあった。


約束の通り千鳥としての仕事は1度差し止め、マネージャーは「ノブと大悟が千鳥としての仕事は一度休止することにした」ということを各所に伝えて回る。


千鳥ほどの人気芸人の活動休止にテレビ各局は驚きを隠せず、混乱し、彼らの冠番組の代わりとなる番組を考えなければならない羽目となった。


朝の情報番組や昼の帯番組などでもこの話題は取り上げられるなど大きな話題を呼んだ。


とはいえあくまで「千鳥」の活動休止。それぞれはピンという形で仕事を続けていく。

 

そんなこんなで2週間が経ち、大悟は久々に大きな休みが取れた。「こんな日は後輩を連れて酒を飲むに限る」とダイアンのユースケら数名と居酒屋に集まった。

 

一通り飲み終わり全員が、所謂"出来上がった"状態になったという時、前々から千鳥の仲を気にしていたユースケは


「ノブさんって最近どうしてはります?大悟さんおらん時僕ノブさんと絡むこと少なくて」と聞いた。


大悟は、酒が回ったんだなとすぐに分かるようなフワフワとした口調で「……ノブとは会うとらん」と返す。


ユースケは重い目を精一杯開いて驚く。
「え、ほんますか?まさか解散とか、やめてくださいよ?」。少し焦っているような様子だ。

 

「大丈夫や、雪もいつかは溶ける」と笑う大悟。


その後、2軒目に行きましょうと後輩たちが言う中、大悟は「今日はワシもうええわ。お前らこれで2軒目行け。ほなな」と店を出る。


「え、もうですか?……ほ…ほんならまた!」ユースケはその場を後にする大悟を心配そうに見つめながら言った。


大悟の心は複雑だった。いつもあれだけ楽しかった酒の場。それなのに今日は早くあの場を去りたかった自分に違和感を感じた。が少し考えてみるとその違和感はすぐに解けた。


「お前もう酒あんま飲むなよ。体にも悪いんやから。タバコも」

 

あの日、ノブに言われた言葉だ。
「あいつ……」と大悟。自分の中で如何にノブの存在が大きいのかという事を思い知らされたのだ。


一方のノブは今日も仕事。
ぐるナイの「グルメチキンレース ゴチになります」の収録だ。


収録前、この番組の主役の一人であるナインティナインの岡村は何の気なしに「お前、大悟と大きい喧嘩でもしたんか?」とノブに聞いた。


ノブは心底嫌そうな顔をして「やめてください岡村さん。ほんまに」と、ツッコむような調子で言った。


「いや気になるやんか実際。でもすまんな。今のはちょっとデリカシー無かったわ」と謝る岡村。


「そんなんで謝らんとってください。大丈夫ですから」と笑うノブ。


「やめてください」とは言いつつも気にかけてくれる岡村を目の前にして「岡村さんも、矢部さんと喧嘩とか、今回のワシらと同じような経験あったりすんかな…。相談した方が気は楽になるよな…」とノブの頭の中では考えがぐるぐると回っていた。

 

その頃大悟は所謂家族サービスをしようと考えていた。

計画は直ぐに実行され一家は大悟の地元であり笠岡市笠岡諸島に属し、靖国神社の大鳥居や再建時の大阪城の石垣などにこの島で採れた所謂御影石が使われるなど採石が盛んで「石の島」とも呼ばれる、岡山の北木島に。

 

「あぁ〜久しぶりじゃのう。海風のええ匂いじゃ」と気持ちよさそうな大悟。

 

「急やってビックリしたけど、子供らも楽しそうで良かったわ」と大悟の横でその妻が言う。

 

子供たちははしゃぎながら海沿いの道を両親より先に進んでいく。

 

「こんなに穏やかな日は何年ぶりやろう」

 

先々と道を進む子供達を見ながら大悟はそんなことを思った。

 

 

それと同時期に、これは巡り合わせなのかノブも休みを取り地元岡山へ帰っていた。しかしノブの地元は岡山でも広島にほど近い井原市という街で、大悟のいる北木島とはかなりの距離がある。

 

 

━━━━が運命は二人を笠岡の街に引き寄せる…。

 

 

 

続かない‼️💢