「あの女は死んで尚口喧しかった。俺に母を黙らせることなんて出来ないんだ」
エドモンド・ケンパー(アメリカの連続殺人者。1948年12月18日-)
どうも!E-veです!元よりシリアルキラー好き(語弊しかね〜(キムタク))の私ですが先日Netflixより配信されているオリジナルドラマシリーズ「モンスター」のエド・ゲイン編を鑑賞し終わりました!エド・ゲインといえば『サイコ』や『悪魔のいけにえ』などの元ネタになったシリアルキラーで、最近では『ゴールデンカムイ』の登場人物のモデルにもなったそうです!(私は『サイコ』『悪魔のいけにえ』はまだ観た事が無く、『ゴールデンカムイ』も5巻までしか読んでいないので詳しくなくて悪しからず)
主演でエド役のチャーリー・ハナムさんがもう怪演怪演…エドの母オーガスタ役のローリー・メトカーフさんもまた怪演怪演…。内容については、史実と異なる要素も比較的多くありつつですが、個人的には楽しんで観ることが出来ました!
この作品を観ている中で私は、日頃から思っていたが改めて
シリアルキラー、毒親出身多い
と思いました。特に、母親の人格に難があるケースがとても多いです…。この事を悲しく思うと同時に、犯罪心理学的側面から見てとても興味深いとも考えてます。
というわけでロバート・K・レスラーぶって素人がシリアルキラーの生い立ちを犯罪心理学的に分析し、同時に愛着形成が人生にどう作用するかについてもお話したいと思います。
分析するシリアルキラーは3人。いずれも母親の人格・教育に難がある者達です。生い立ちを解説した後、愛着と人格形成について分析し総括していきます。長くなりそうなので一人ずつ参りましょう!まずは……
エド・ゲイン(Ed Gein)
プロフィール
フルネーム:エドワード・セオドア・ゲイン
異名:プレインフィールドの墓荒らし
殺人犠牲者数:2人
誕生日と忌日:1906年8月27日~1984年7月26日(77歳没)
量刑:精神異常につき無罪。
「すべての女は淫乱であり、悪魔の手先である」。
これは幼少期のエド及び彼の兄ヘンリーに日々、母のオーガスタが語っていた言葉である。オーガスタはキリスト教の保守派閥「ルター派」の敬虔な信徒であり、聖書を引用しては姦淫の罪深さや、人類の堕落と邪悪を説いた。そして彼女は息子達に対し、"邪悪"そのものである『人間』、特に『女性』と関わることを禁じ、友を持とうとすれば叱責した。このせいでゲイン兄弟は、学校以外では他者との関わりを完全に失っていた。
オーガスタのこの教育は子を苦しめようという悪意によるものでは無かった。事実としてオーガスタは夫ジョージに2度しか身体を許していない、1度目はヘンリーを身篭った時、2度目はエドを身篭った時だ。彼女は、子作りを目的としない姦淫は重い罪だと信じて疑わなかった。狂信とも取れる母の教育に、兄ヘンリーは次第に違和感を覚え反発するようになったが、内気で優しいエドは母の狂信者となっていった。
父の死後、ゲイン兄弟が30代後半となった頃。兄ヘンリーは恋人を持つようになり、その女性と他の街に移り住もうと考えていた。そこで気掛かりとなったのは未だに母親の言いなりの弟・エドの事だ。この頃にはもうヘンリーは母と距離を置くようになっており、エドの前で母と口論を交わすこともあった。その状況にエドはいつも酷く動揺した。そんな兄は火事により不審死する。母への侮辱に腹を立てたエドが殺したとする説もあるが、真実は闇の中だ。
エドは母とふたりきりになった。脳卒中によって体が不自由になったオーガスタをエドは、極めて献身的に世話した。母が「聖書を読んでくれ」と言えば、かつては母が自分にしていたようにそれを読んでやった。しかしその甲斐もなくオーガスタは67歳で命を落とした。エドは深く悲しみ精神的に打ちのめされたという。
「彼は唯一の友人にして恋人だった人を失ってしまったのだ。」
ハロルド・シェクター(伝記作家、1948年6月28日-)
天涯孤独となったエドは、ある頃、自分が亡き母の影を追っていることに気がつく。そうして彼は地元の墓地へ行くと死体を掘り起こし、家で解体した後皮膚をなめして加工し、ランプシェードや椅子の座面に使ったり、マスクやスーツにした。これらの"作品"に使われた死体は多くがオーガスタと同じくらいの年代の女性のものであった。最終的には墓場の死体に飽き足らず実に2人の人間を殺害し"作品"に加工するに至っている。2人はオーガスタのように少し肉付きのある中年女性であった。その後逮捕されるも裁判で精神異常を理由に無罪を言い渡される。以降、生涯全てを精神病院で過ごした。滅多に暴れず看護師らの言うことをよく聞く模範的な入居者だったそう。77歳没。
………。まだまだ行きますよ
エドモンド・ケンパー(Edmond Kemper)
プロフィール
フルネーム:エドモンド・エミール・ケンパー3世
異名:女学生殺し、ビッグ・エド
殺人犠牲者数:10人
誕生日:1948年12月18日
量刑:終身刑
エドモンドの幼少期は母クラーネルの怒声にまみれていた。情緒不安定で境界性パーソナリティ障害の兆候を持っていたクラーネルは、夫(エドモンドの母)を毎日罵倒した。気の弱かった夫はクラーネルの悪態に耐えかねエドモンドが7歳の頃に家を出た。都合のいい罵倒相手を失ったクラーネルは今度はエドモンドをそのターゲットにした。
優しかった父をいじめる母を元より嫌っていたエドモンドは、これにより更に彼女に対して恨みを募らせるようになっていく。クラーネルはそんな事を気にも止めずエドモンドを自身や娘ら家族から隔離し、地下室に住まわせるようになった。とはいえその頃のエドモンドは既に動物虐待に明け暮れ、果ては姉の飼っている猫を殺す始末であった。クラーネルの一連の虐待行為がその事を知ってのことなのか、それともただの気まぐれなのかは、今となっては不明である。
「彼は母からも父からも拒絶された。つまり彼の犯行は両親への復讐だったのだ」
逮捕されたエドモンドを精神鑑定した医師
歪んだ環境で暴力性と異常性を養ったエドモンドは206cmという高身長、頭脳も明晰に育った。その頃になるとエドモンドは母との生活に耐えかね、昔出ていった父の元に身を寄せることになる。しかし父は既に再婚して家族を持っており、エドモンドは肩身の狭い思いをした。その為今度は父方の父母の元に身を寄せるようになる。しかし祖母とは折り合いが悪かったようで結局殺してしまう。ついでに祖父も殺した。エドモンド15歳の時分であった。逮捕前エドモンドが母に電話でその旨を伝えると彼女は「やっぱり」と思ったという。
釈放後は仕方なく母と暮らす事になるが、彼女は殺人者となった息子をこれまで以上に強く罵倒するようになり、エドモンドはストレスからその狂気をより強めるようになった。ある日エドモンドはヒッチハイカーの女学生メアリー・ペスチェとアニータ・ルチェッサを拾った。エドモンドはいきなり2人に銃を突きつけると彼女たちに手錠をかけ拘束した。メアリーの方はそれにも動じず冷静に「悩みがあるなら聞くからこんな事はやめて私たちに話して」とエドモンドを諭そうとした。しかしエドモンドはむしろメアリーのその態度が気に食わず滅多刺しにして殺してしまった。ついでにアニータも殺した。
犯行を繰り返すうちに「捕まるのも時間の問題だ」と考え始めたエドモンドは自分の狂気の原因たる母を殺し全てを終わらせようと思い立った。エドモンドは母の後頭部をハンマーで殴って殺害。遺体の首を切るとその生首にオーラルセックスを行った。行為後更に生首から喉を掻き出してディスポーザーへ投げ捨て作動させたが、詰まってしまったらしい。ブログ冒頭の引用台詞はこの出来事を回想したエドモンド本人の言葉である。最終的には警察に自首し、裁判で終身刑判決を受ける。現在も模範囚として収監されている。
いよいよラストです!彼は正直数いるシリアルキラーの中でも特に生い立ちがド級です…
ヘンリー・ルー・ルーカス(Henry Lee Lucas)

プロフィール
フルネーム: 〃
異名:コンフェッション・キラー
殺人犠牲者数:確定3人、自供3000人以上
誕生日と忌日:1936年8月23日~2001年3月12日
量刑:死刑(後終身刑に減刑)
「お前は一生私の奴隷なんだよ」。幼かったヘンリーに対し母ヴィオラがよく言った言葉である。彼は電気も通っていない丸太小屋で生まれた。ヴィオラはどんなプレイにも応じる売春婦で、サディストで、狂人であった。自身の妊娠をも「妊婦の腹を蹴りたいサド男はいない?」と売春の武器にした。身篭っている子が女の子であることを望んでいたがその理由も「生まれた女の子に売春をさせれば、今より金を稼げるから」というものであった。そのため生まれた子が男の子と知るとヴィオラは落胆した。
ヴィオラは、夫(ヴィオラの元客でマゾヒストの後天身体障害者)によってヘンリーと名付けられた我が子を「ヘンリエッタ」と呼び女の子として育てた。更に自分が客と性行為に及ぶ姿をヘンリーに見せつけた。暴力行為やネグレクトも日常茶飯事であり、ときには頭蓋骨が見えるまで角材で息子の頭を殴った。ヘンリーは母に脅えながら痣だらけの身体で残飯を漁る生活を強いられた。ある頃少年ヘンリーはラバを欲しがった。その時は珍しくヴィオラは快諾した。ヘンリーは与えられたラバを心から愛し寝食を共にして育てた。ラバもヘンリーによく懐いた。ヴィオラはヘンリーに「そのラバが好きかい?」と聞いた。ヘンリーは勿論「うん、好きだよ」と答えた。返事を聞いたヴィオラはヘンリーの目の前で、ラバを撃ち殺した。
小学校に上がると彼の女性担任は、痣だらけで酷く痩せた体に女の子の服を着せられたヘンリーを気にかけた。その後彼女はヴィオラの行為を虐待として起訴し、裁判所も「被告は息子に女の子用の服を着せることをやめるように」と判決を出した。ヴィオラは仕方なくヘンリーに男の子用の服を着せるようになった。しかし良い事は続かない。小学校でのある日、騒ぐのを辞めない生徒に対して女性担任が投げた定規が運悪くヘンリーの左目に直撃した。元よりヘンリーには兄と遊んでいた際に事故で出来た左目の傷があったのだが、これによりついに眼球が破裂し失明してしまった。これを好機と見たヴィオラは意気揚々と小学校へ押しかけ、担任をなじり、息子に二度と近づかないよう約束させた。そして慰謝料をふんだくると、1番安い義眼をヘンリーに与え、残りは私腹を肥やすことに使った。
そんな環境で育つうちヘンリーは犯罪に明け暮れるようになっていた。複数の強盗の罪で逮捕されると、獄中でステラという女性と文通を始め思いを寄せるようになる。出所後にステラと交際し、いつしか結婚の話も出るようになっていた。ヴィオラと再会しその旨を話すと彼女は猛反対した。「あんたはあたしのこれ(女性器)に飯食わせてもらったような奴だろうが」等と口汚くヘンリーを罵倒するヴィオラに、ステラは嫌気が差し逃げ出した。すると傷心のヘンリーをヴィオラは嘲り、なじり、殴った。流石のヘンリーもこれには怒り、咄嗟にヴィオラの手を振り払った。気がつくと自身の手にはナイフが持たれていた。床にはさっきまで狂喜して自分をなじっていた母が血だらけで横たわっていた。
母殺しで逮捕されたヘンリーは出所後は様々な職を転々していた。ある時職場でオーティス・トゥールという女装家と出会い意気投合。そして2人は殺人行脚をスタートさせる。行き当たりばったりに殺人や強盗を働く中でヘンリーはオーティスの姪のフリーダ・パウエルに思いを寄せるようになる。ヘンリーは彼女をベッキーと呼んで愛しみ、ベッキーもそれに応えた。幼い頃母のそれを見せつけられて以降セックスを歪んだものだと思っていたヘンリーはベッキーに性愛を向けることはせず、その関係は至極プラトニックであった。その裏で性欲が溜まるとヒッチハイカーの女性を捕まえ、犯し、殺していた。ヘンリーとオーティスの殺人行為を知っていたベッキーは特にそれを気にしていなかったが、キリスト教の教えに傾倒するようになるとヘンリーに「真人間になれ」と説くようになった。母のように自分をなじるベッキーを、ヘンリーは思わず手にかけてしまった。
逮捕後、ヘンリーは警察に対し300以上の事件を自供した。1970年代のアメリカは先述のエドモンド・ケンパー、ハーバート・マリン、ゲイリー・リッジウェイ、ジョン・ゲイシー、テッド・バンディ等がシリアルキラーとして暗躍した時代だった。当時は多くの事件が未解決で、殆どのシリアルキラーは逮捕されるに至っていなかった。その為警察はヘンリーの自供を信じ、更に捜査協力のお礼に通常の受刑者には有り得ない優遇措置を彼に与えた。自供には矛盾も多く当時から懐疑的な意見も多かった。結局現在ではこれらの殆どが虚偽であったと本人が撤回し、実際にヘンリーとの無関係が捜査で立証されているものまである。その後死ぬまで刑務所で生活を送った。
…………如何だったでしょうか…。犯行については許せませんが、生い立ちには流石にちょっと同情しちゃいますよね…。
ここからは私のオリジナル分析です!彼らがなぜ人格の形成に異常をきたしたかを生い立ちと母親の教育を元に考えます!早速スタート!ポイントは3つ!
①常に親からの支配的な態度に晒されていた

エド・ゲインの母オーガスタ、エドモンド・ケンパーの母クラーネル、ヘンリー・リー・ルーカスの母ヴィオラ。3人に共通する要素をひとつあげようと思った時まず浮かぶのはこれだと思います。オーガスタはキリスト教ルター派の教えを絶対視して息子達に押し付け、クラーネルは何でもいいから日々ケンパーを罵倒し否定し、ヴィオラに至っては息子を奴隷とまで呼んだ。
「子は親の思う通りにならない」、子育てを経験した人の多くが語ることであり、世の常です。例えば息子に「塁」と名付けても必ず野球をしてくれる訳ではありません。事実、八村"塁"はバスケットボール選手です。しかし彼女たちは子供が自分の思惑を外れた行動をしたり、考えを持つことが許せなかった。だから愛情を与えず、不安定にさせた上で支配的に接し「この人に従うことが、この人に愛される唯一の方法なんだ」と思わせるように育てたのだと思います。これでは子育てというより主従の形成です。人格形成の成されていない子に親がこう言う接した方をした時に恐ろしいのが、そうして育った子は親の死後もその呪いから解放されないという点です。
②他者から引き離され精神的に孤立していた
2つ目はこちら。オーガスタは息子達が学校以外で外界と関わることを禁じ、クラーネルは息子を地下室に閉じ込め、ヴィオラは息子が施しを受けることを徹底的に嫌悪し、結婚にまで干渉した。手元に子を置いておきたいという歪んだ愛なのか、それとも子に自分を絶対的存在と思わせたい支配欲なのかは分からないが、3人の母は少なくとも自身を絶対的存在と思わせることに成功した。顕著な例はヘンリー・リー・ルーカスで、彼女の母ヴィオラはヘンリーに声をかけて思うような返事をしないと彼を殴った。その為ヘンリーは咄嗟に嘘をつくのがどんどん上手くなったとされる。彼が逮捕後行った嘘の自供もこの経験が癖になっていたものなのではと一部では考えられている。
③決して認められなかった
先述の通り3人それぞれの母達はまるで子供に人格が無いかのように接しました。そして子が自我を見せようとすると怒り、自分の言うことを聞かせようとします。彼女たちにとって子は自分に従うことが当然であると考えているのだと思います。参考文献では確認のしようも無い事なので憶測でしかありませんが、彼女たちは息子たちの良き行いに、褒めるなどしなかったんだろうと思われます。人が長い人生の中で初めて人間関係を持つ相手は母親です。そのコミュニケーションに母親側が応じなければ、子が将来対人関係において不安定になることは安易に想像が出来ます。
3つのポイントをまとめて、総括すると
アタッチメント理論って正しすぎる!
アタッチメント理論とは、心理学者ジョン・ボウルビィが提唱した「子の社会性を養うため養育者が安全基地となって絆を持つなどして親密関係を維持する必要があり、それが欠けた状態で育つと社会的・精神的に問題を抱えた大人になってしまう可能性がある」というもの。まさに、ゲイン、ケンパー、ルーカス3人が、アタッチメントを得られなかった代表例です。精神的に安定した子供を育てるための究極法がアタッチメントならば、逆をやるには即ちオーガスタ、クラーネル、ヴィオラのやり方を真似すればいいのです。
あとがき。
もしゲイン、ケンパー、ルーカスがマトモな養育者の元で育てば彼らは真っ当に人生を歩んだのだろうか。正直、どこまでが愛着不足によってもたらされるもので、どこからが本人の持つ潜在的な要素なのかが区別しにくいというのが感想です。母が友を作ることを許せばゲインは気のいい田舎者として生涯を終えたのか?地下室に閉じ込められなければケンパーは内なる暴力性を増幅させずに済んだのだろうか?母が結婚を許していればルーカスはプラトニックに妻を愛し子を可愛がる亭主になっていたのか。私は、本人が抱えていたほんの小さな猟奇性が、それより猟奇的な両親によって育まれた形だと考えます。良きところを伸ばし、悪しきところは治してやるのが母や父など親の務めと思います。しかしその善し悪しの基準を親がしっかり教えねば子はどうなるのでしょう。親は子の道しるべであるべきで、チェス盤であってはなりません。
長々とまとまりの文章を読んで下さりありがとうございます!!文章が下手すぎて自分で悲しくなりましたが…
しかしお陰様で御神(みかみ(三上悠亜))のご信任を頂けましたので、私の方でも新年がようやくスタート!1492年も頑張るぞ〜🎶
次回号より、メスポンデライオン先生による待望の最新作:新大陸へ漕ぎ出せ!コギコギボート・コロンブスくんが連載開始──☆
乞うご期待!